- HOME
- 弱視
弱視
弱視(機能性弱視)とは
まず、弱視は、医学的弱視と社会的弱視に分けられます。
- 医学的弱視:視機能発達時期に必要な刺激を受け取ることができずに生じた弱視で、眼鏡をかけたり訓練をしたりすることにより視力が良くなる可能性があります。
- 社会的弱視:さまざまな種類の目の病気によって生じた改善困難な視力障害のことを指し、失明や弱視を含めてロービジョンともいわれます。
ここでは、医学的弱視について解説いたします。
弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズ等で矯正しても視力が上がらない目のことをいいます。
裸眼視力が0.01というだけで弱視だということがありますが、眼鏡をかける等、矯正して(1.5等、視力が上がる)見えれば弱視ではありません。弱視治療の対象になるのは、原則として目の病気がないのに矯正視力が上がらない弱視です。
弱視の原因
目の前にあるものは、角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜の中央(黄斑部)に、ピントを合わせます。
ピントが合った後に、その情報が視神経を通って脳に伝わります。
しかし、生まれたときから3歳くらいまでの間に、片方の目のまぶたがさがったままだったり、黒目の中心の部分が濁っていたり、片方の目の位置がずれていたり、きちんと網膜にピントが合わない場合に弱視は起こります。
視覚中枢は、生まれたばかりの赤ちゃんでは、ほとんど働いておらず、視力は0.03ぐらいです。
網膜に映った像が刺激となって、13歳ぐらいまで、視機能は発達します。
視覚中枢は網膜上のピントの合った像が刺激となって発達するので、遠視・乱視が強くて、網膜上にピントの合った像が映らない場合は、十分な刺激を脳の視覚中枢が受けられずに、その発達が遅れます。
このように弱視は、この視覚情報が伝わる途中のどこかに支障があるときに生じます。
注意すべきこと
両目の視線が合わない斜視は、見た目にも分かるので発見しやすく、早期の治療が行われることが多いため、治療の時期が遅れて問題になることは少ないです。
しかし、遠視・乱視による弱視は、見た目には出ないため、お子さまの視力がでにくいことはご両親にもわかりにくく、治療の時機を逸して、脳の視覚中枢の発達が終了してしまったら、その後にどんなに眼鏡で矯正しても、視力は十分得られず、車の免許も取れないという大きな障害を背負うことになります。
そうならないためにも、3歳児健診などで、視力異常を指摘されたら、すぐに眼科を受診しましょう。
弱視の治療は、3歳から6歳ぐらいまでが改善が見込みやすく、7歳を過ぎると弱視の治療を行っても視力の向上が思わしくない場合があります。
また、定期的に以下の弱視検査を受けることをご提案します。
- 視力検査
- 眼底検査(網膜や神経に病気がないかを検査します)
- 眼位検査(斜視の有無を検査します)
- 固視検査(ものを見る際に、網膜の中心で見ているかどうかを調べます)
- 屈折検査(遠視、近視、乱視の有無を調べます)
弱視の治療
弱視の治療の基本は、遠視・乱視を矯正する眼鏡をかけることです。
眼鏡で矯正した状態で網膜にピントを合わせ、鮮明な像を脳の視覚中枢に送ることにより視機能の発達を促進します。
眼鏡をかけるだけで視力が上がり、1.2以上の視力を得られる場合もありますが、そうでない場合は、片目を隠してもう片目だけでものを見る訓練を行います(アイパッチ)。
これは通常、ご家庭で毎日1時間ぐらい訓練をします。
翌日は、前日に隠さなかった目を隠して、前日隠した目だけで、ものを見る訓練をします。